一度や二度の悲しみじゃなくて

だいたい野澤と真田の話をしています

君に歌え僕に歌え見えぬ道はただ往け――10神ACTOR歌詞分析其の一

 

以前オタクの間でたくさん上がっていた「歌詞分析」の記事。自分の好きなグループが私たちに渡してくれる歌にはどんな言葉が多く使われて、どんな物語を描いているのか。そこからどんな思いを歌って、まばゆい景色を映し出しているのか。いかにも「らしい」と思うものもあれば、見渡すことで見えることもある。それらの記事を読むのがとても面白かったので、10神ACTORにハマってからはいつか自分でもやる!と思っていたのでした。
2018九州ツアー真っ最中、そうして2019年夏の福岡サンパレスさえ決まったこのタイミングで、微力だろうがなんだろうが彼らのことを知らしめたい! 言って回りたい!! 叫んでやりたいですね!!! という気持ちでいやようやく筆を(?)とった次第です。
 
 
 
~ふとどこかからこのブログに迷い込んできてくれたあなたへ~
やったね! 今から10神ACTORっていうとびっきりのいいやつらを知れるなんてあんたマジでついてるぜ!!!
囲い込み漁の網に入ってきた初見の方もいらっしゃるかもしれないので簡単に彼らの説明を。
10神ACTORは、2014年、福岡の日テレ系列局FBS制作の番組オーディションから誕生した男性10人組の総合エンタテインメント集団*1ところで読めますか。
\僕たち!てんじんあくたーです!/
地元民以外が果たして天神と博多をどれだけ区別しているのか分かりませんがてんじんです。*2
14年末放送の全員出演のSPドラマに始まり、その後も冠番組、舞台、ライブ、朝のお天気アシスタントやリポーター、他種々地元のイベント等多岐に渡って活動中。上述の通り現在は九州ツアー中、来年は既に、2月に東京・大阪・福岡を回る舞台公演(メンバー5人が出演*3劇団番町ボーイズ☆との共演。昨日ビジュアルが出ました!やったー!*4 )及び8月16日の福岡サンパレスライブが決まっています。すごくない?!えっすごくないサンパレスですよ?!!?!
現時点で上は27から最年少19歳なりたてまで*5、地元に根付きながら成長しながら、飛躍を続けている青年たちです。
 
あと細かいことは見た方が早いのでこの辺り見てください。(ここまで書いた意味)
みんなこういうわやわやしてるの好きでしょ
  
キャラクターが掴みやすいのはポンコツ闇鍋
 
えっ最後に告知してた舞台『ピボットターンで振り向いて』はラブコメって女の子はどうするのかって? 私の推しがやりました。

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ちゃんとした写真が残ってない。いや闇写じゃないですちゃんと雑誌に載ったやつですやつなんですけど
 
熱くてバカみたいで泣けてしまういす-1
 
 
他過去の番組はYoutube公式チャンネルで見られます。見て。ほんとはここでライブ映像貼りたいから運営さんはライブ映像も世に流してください
 
あとまぁ拙ブログも参考になれば
 
 
 

◆前提の話

こっからちゃんと本題しかし前提の整理だよ!!!
初っぱなから恣意的な感じもするのですが、今回は楽曲をA~D群に分け、うちA群を対象として分析を行ないました。群の分け方はこんな感じ。

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A~Cが10神ACTOR名義でうちCはユニット及びソロ曲(ユニットでもソロでもそれぞれにfrom 10神ACTORとついてるのがとても好き)。サカタケント(1人ではなく2人です)は別個にシングルアルバムも出しているのでD群として分けています。
ではAとBの違いは何かというと、Bが福岡!っていうか愛しとるばい!!!っていうか君ととんこつ麺みたいな恋愛がしたいっていうかまぁわりと恋の歌っていうのをこっちにまとめた結果です。えっなんですか?パクチー・ヘブンですか?パクチーに身を捧げたあまり世界に広めたい歌だから間違ってないんじゃないですか?
 
そうして今回取り扱うA群が、彼らのまばゆさとか、夢を歌った歌たちだなぁ、という感覚なのです。(まぁ『君と~』と『栄光の明日へ』はちょっと個の絆っぽい面もあるけども)
 
 
ということで対象楽曲はA群の8曲。分析に使う歌詞テキストの用意は、先駆者のブログにはLyrics Masterとかいろいろ書いてあるんですが、10神ACTORさん、うたまっぷとかああいう類いのネット上には歌詞が出ていないので悲しいかなイチから手打ちしました。
運営さんお願いだからどうにか世に広める手段をとらせて。私ごときのブログでも万が一気にかけて興味を持ってくださった方に歌詞の全体像がお届けできない…!あと欲を言えばカラオケに曲入れてください…!(カラオケ芸人の弁) 気にかけてくださった方は言ってもらえれば歌詞送ります。俺は己で広めてやるぞ。
まぁさした嘆きは置いといて、分析にはKH coderを使わせていただきました。テキストマイニング多量のテキストデータから有用な情報を採掘する(mine、マインクラフトのマインですね)分野で使われているソフトです。多機能で視覚的にも面白く使えながらもフリーソフトなのでこれを読んでいるあなたもすぐ分析に取りかかれる。趣味の深追いはいいぞ。
 

 

文章を科学する

文章を科学する

 

 

 
 
 
さて早速。見た目で面白いのはこんなものができあがります。共起ネットワーク。

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これは名詞・動詞・副詞・形容詞の上位に限って取り出した図
丸の大きいものほどよく出てくる語で、線でつながっているもの同士が共起=一緒に現れることが多い、ということになります。
楽曲が分かる方は見てるとなんとなく元の歌が浮かぶかもしれません。例えばど真ん中のオレンジ辺りは『Chase Your Dream』の「止まらず進めば 明かりが差す」によるまとまりでしょうし、右肩の緑辺りは『Dear Friends~未来へ~』の「僕らが生きている今日は 明日のために あるって いつまでも いつまでも 信じているよ」に当たるかと思います。この…この歌詞がめっちゃ好きなんですよ…ウッ…。
その一方で、左肩青の【手】という語は実は複数の楽曲にまたがって現れているもので、【伸ばす】【繋ぐ】【選ぶ】などのいろいろな動詞と連なっています。
 
で。ここで問題なのが、いかんせんサンプル曲数が8と少ないために、ある語が多く出てたとしてもそれはサビを繰り返したもん勝ちってなこともあり、というやつです。いや自分が曲絞ってるせいなのであれなんですが。いやだって♪どうやって~夢を叶えたいか\ラクサラクサラクサラクサラクラ/とか混線したらもう訳分かんない
例えばこれが、先ほどと同じように品詞を整理した上で、出てきた回数の多い語の上位*6

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さっきのネットワークの丸が大きいものと一致しているかと思います。  
ここで3つめの【進む】についてKWIC(KeyWord In Contextの略。指定したキーワードと前後の文脈を一緒に表示する形式で、ネットの検索結果表示でも使われています)を見てみると

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お分かりでしょうか。24回中22回が『Chase Your Dream』サビです。
9つめの【届く】、11番めの【いつまでも】なども同様に偏った状況でした(【届く】も14回中12回が『Chase~【いつまでも】は12回全部が『ディアフレ』)
 
というような事情から、以下ようやく本当に本筋としては、
・語について、単純な出現回数ではなく多くの曲へのまたがりから見える傾向を探
・その語が文脈の中でどういうものと繋がっているかを探る
ことを目標としたいと思います。
 
 
 

◆本題の話

 
先程の上位語を曲ごとにばらしたのがこちら。

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その中で6曲以上にまたがって現れているものをオレンジで、回数に対して広がりが少ないものを灰色で塗っています。
 
また【僕】+【 I 】+【my】のように英語を足した場合がこちら。

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顔ぶれがガラッと変わるということはなさそうですが順位は多少変動。【追いかける/chase】が上の方に来ています。そりゃあまぁ…デビューシングルのタイトルだし…。
 
これらの表を下地に、これはと思った点を追っていきます。
 
 

1.【僕】は僕だけじゃなくて【君】はひとりじゃなくて

いきなりめちゃくちゃ面白いと思うのが、【僕】の現れ方。
一個人、主観的存在の【僕】ではなくて、そのほとんどが【僕ら/たち】という形で現れていることです。(ちなみにA群では【俺】はまったく出てこない。パッと思いつくのはB群『ひたむきチェイサー』かなぁ。)

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\身長俺のが勝ってるし顔もたぶんね?/
 
【僕】のKWICがこちら。

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それこそ繰り返しになりますがサビの計上が多いのは多目に見て…ほら重言と同じだって…何度も言うのは大事さの指標だよ…)
『君と叶えたい夢があるから』『栄光の明日へ』では【僕】の形も多めですが、全体的にこれは【僕ら】の声だと、個の集まりだということを自称するフレーズが想定以上に多いように思います。
『ディアフレ』及び『もっともっと~』はそれぞれ別離からの再会の願いを心にしまう曲、卒業式ソングといったテイストで、当時をリアルタイムで知らない身としては (゜д゜)2、3枚めにしてこんなお別れソングを提示されてファンはどんな気持ちだったんだ…などと思ったりするのですが、ともあれ『ディアフレ』では「僕らのストーリー」が紡がれる。ひとりきりそれぞれの道はそれでも確かにいっとき交錯し、ここから旅立っても「僕たちの約束」「僕たちの未来」はまた繋がるのだと、そういう明日にするために今日を生きるのだと決め、それは僕らが生きている 今日は 明日のために あるって いつまでも いつまでも 信じているよ」という歌詞で総括される。そこには確かに、自分の生を行きながらも支えのように根付く、【僕ら】の結び付きが見えます。『もっともっと~』においても、「目を閉じれば 映る記憶 僕らの影」と思い出=過去を描写しながらも「時が過ぎていっても 僕たちは一緒だよと はるか はるか 遠い日まで」とこの先の日々へ思いを繋げている。
 
その次に少し転換し、共に前に進む集団として【僕ら】を描くのが『フロンティア』『Carry on~』『Zeals』。「僕らは今日も夢見る」「僕らの世界線 描く airship」「僕らは僕らが抱いた 情熱を叫べばいいんだ」。また『栄光の明日へ』でも「栄光の明日へ 僕らは全力疾走」と歌う。
あるいは【僕ら】というのは彼ら10人自身。ですが、時にそれは私たちを共に巻き込んでくれる言葉ではないかと思ってしまうこともある。情熱を叫べばいい、僕も、君もというような。
 
というところで【君】KWIC。

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こうしてみると、「君も連れて行くから」「君もおいでよ」「君も乗せて行くよ」と、『フロンティア』や『Carry on~』では何度も呼び掛けてくれるのが分かる。君も僕らと一緒だと。同じ夢を見て、踊って、はにかんで笑っていようと。
あるいは「君は信じて進めば良い」と送り出されても、君がどうしようもないくらいのピンチも 仲間連れて助けに行くよ」と彼らはそこに軸としていてくれる。この辺りのメッセージは、『ディアフレ』『もっともっと~』の中の【僕ら】が互いに向けた姿にダブるような感覚もある。
 
 __
私ですね。現場で聞く『君と叶えたい夢があるから』がものすごく好きなんですよ。以前のブログでもツアー長崎後のツイッターでもめちゃくちゃ書き散らしたんですけど、言葉は陳腐かもしれないけど、ただ、ただひたすらに、「夢を見ることを諦めないでいいよ」と言われている気がして。聞く度にメンバーと一緒に泣いてしまう。ワンマンで涙のあまり「my life」の声が裏返った馬越くんは伝説。長崎では慎さんも泣いちゃうしさ…!
すいませんネットの海に歌詞が上がってないのでちょっとだけ、ちょっとだけサビを引用させてください。 
 
夢に向かう僕を見ててくれ
きっと君がいれば
何度だってさ 立ち上がれるから
まだしっかりと 誇れるようなもの
この手にはなくても
強く握った その手だけは 離さないから
I believe in my way, my life
 
夢ばかり追いかけてくことを
他人がどう言っても
君の笑顔が 僕を支えてる
まだ真っ白な 未来しかないけど
どうかわかってほしい
君の明日と 僕の明日を重ねたいんだ
 
不器用すぎる僕だけど
君を絶対守ると誓うからさ
 
夢を掴む僕を見てほしい
きっと君がいれば
何度だってさ 立ち上がれるから
まだしっかりと 誇れるようなもの
この手にはなくても
心を込めて… 君のことが大好きなんだ
I believe in my way, my life
ずっと
I believe in my way, my life
 
初めてラジオ解禁でフルで聞いたときは、一対一の歌のような、ものすごく平たく言えば内助の功を求められているかのような…?という印象を持ってしまって違和感があったのですが、その2日後のリリイベで目の前で聞いて、全く印象が変わりました。
この歌って、「君を絶対守ると誓うからさ」って、単なる身上の庇護じゃなくて、「君が夢見ることを守るよ」って言うための歌だと思ってるんですよ。人が夢を叶えられる存在であると示してみせるよ、僕らが夢を叶える姿を夢に見てもそれをきっと叶えてみせるよ、何かを好きでいていいよ、追いかけていていいよ、明日を願っていていいよ、一緒に願っていたいよって。
 
なんというか、夢と現実っていう言葉の対比はあって、俗に言う夢って、実にならない、金(食い扶持)にならない、何かしらの形も残さない、っていうようなものを表すために使われることが多くて、確かにこの曲でも一義的にはそういう意味で使われてるんですよね。「夢ばかり追いかけてくことを 他人がどう言っても」のところとか。だけど、そんな絵空事みたいな扱いじゃなくても、例えば「明日は幸せだといいなぁ」って生きようと思うことだって、何らかの形で明日を願うということが夢であって、その願いを捨てないでいいよ、僕らは夢を見ていいんだよっていう曲だと思うんですよ。それは、何度も繰り返しで出すけど、『ディアフレ』の「僕らが生きている 今日は 明日のために あるって いつまでも いつまでも 信じているよ」と根幹は同じで、「君が生きた今日は消えないよ」っていうようなことであって。それを「夢見ることだ」と言うのであれば、私たちだって彼らが夢見ることを支えたいじゃないですか。見続けていたいじゃないですか。
だから決してそれは片面的に「わーーー10神ACTORキラキラーーー特別な男の子たちーーー」って眺めるものではなくて、双方向に、あぁ、もがいてるね、輝いてるね、生きようとしてる、君はちゃんと明日を願えているねって見つめ合うような曲だと思うんですよ。ほんっとうにこの曲好きなんですよ。
 
なんかもう分析じゃなくてただの心の叫びになってきたぞ…。
 
 
 

2.見えなくともその手は上へ、前へ

ちょっと戻ろう。
先程ネットワークのところで少し出しましたが、【手】は様々な動詞と共起しています。

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これも、前を向こうっていう系統と、君と僕の繋がりを示す系統とあるのかな。前者が「答えを探すと 手を伸ばして」「この手で選ぶんだ」とかで、後者が「手と手 繋ごう」。ちなみにこれが「一緒に行こう」と続く。手をとったからには、君と僕とは共に夢を見ようと。
 
ただちょっと異色なのが、先程わめいた『君と~』での出方で。
「まだしっかりと誇れるようなもの この手にはなくても」
ややネガティブなニュアンスです。
 
ここで一緒に引いておきたいのが【見える】です。分布は8曲中4曲ととりわけ多いわけではないですが、その文脈に一定の傾向が伺えます。

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「何か見える日まで」「一人きりで 何も 見えず 手探りの闇も」「まだ 始まったばかりの 僕らの形 ハッキリ 見えてないけど」
「今はまだ見えてない」という文脈が非常に多いのです。
 
ではこれらの表現が本当にネガティブなのか?というとたぶんそれは違っていて
『フロンティア』ではこんな風に歌います。
「誰もがきっと 先は見えない だから探していくフロンティア」
そう、今の自分に不足を感じるのは、「この手にはまだ何もない」と言えるのは、前を、上を見据えているから。先のことなんて誰にも分かりようがなくて、ただ、ただ今を積み重ねていった先でしか答えは出ない。だから「見えない壁のBuilder」「見えない羽の操縦者」いつだって自分だろう」と掲げ、「周りから 滑稽に見えるくらいでそう 努力と呼べるんじゃないか?」と自分を奮わせる。跳躍の前の助走と踏み切りのように、前へ進むための今だと歌うために。
 
重ねておくと【見る】【見せる】のKWICはこう。

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【見る】に関しては「あの空に見ていた夢 今もまだ 胸の中 残っている」「見たこともない 明日を探そう」「見たこともない世界 不安もあるけど 僕らならば 超えて行けるから」と、【見える】同様まだ実現していない様相があるのだけれど、「見たこともない」からこそそこには想像以上の自分になれるかもしれない、と期待ができる。「真っ白な未来」をどう捉えるかは自分次第なのだから。

 
なおかつ、それでも彼らは【見せる】。「見せてあげたいよ 連れて行くよ キセキ広げよう」「君に見せる大きな夢」「連れて行くよ どこまでも 栄光の ステージを 見せてあげるから」
それはきっと、見る人と見せる人が双方にいて初めて成り立つ、エンタテインメントの根幹だ。もしかしたらライトの下にいる彼らの中にも不安があっても、一心に「見せる」ことで私たちの中には輝きを残し、それを成したことがきっと彼らの自信の積み重ねになる。
人狼TLPTのときに「やり通せたことで自信になった」というような挨拶が、すごく印象に残ったんですよ。「大きくなる」というのは、広さ=数も確かに客観的な指標になるしサンパレス…サンパレス…?!って実際いまだにがたがたしてるけど、自信を積み重ねる、自分の中の主観的な価値を得て積み上げられる、自分を高められたって自分で認められることも他方でものすごく大事だと思うんですよ。
 
 
また、ここで【明日】【未来】について見るとおおよそ似通った意味で使われてるのかなと思うんですけど、1曲だけ異色なのがあって、

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それが『Zeals』の「だから この手で選ぶんだ 綺麗な明日よりも 傷ついたって自由な未来を」。2つの言葉は対比されて使われていて、直近でやってくる【明日】を取り繕うよりも、踏みしめる道を重ねて重ねて積み上げていった先の【未来】を手に入れたいと宣言する。これもここまでの、「積み重ね」に通じるかなと思うんですよね。
 
 
もっと重ねて言うと、1回しか出てこないので表には上がってきていないんですが、『栄光の明日へ』の「一瞬一瞬に 僕らは賭けていく」も、案外その象徴だと思います。『栄光の明日へ』は舞台『ピボットターンで振り向いて』でED的に使われた楽曲で、バスケを交えたような振りがかわいいしそもそも舞台とあいまって本当に尊いんですが、そうして音だけで聞いてたとき、ここの表記って「駆けていく」、もしくは言っても「懸けていく」だと思ってたんですね。僕らは全力疾走、という最後のフレーズもあいまって、いつだってひたむきで、全身全霊なんだって。それが蓋を開けたら「賭けていく」ってハァ?!お前何ギャンブルみたいな気持ちを歌わせてんのかこの作詞者は?!ハァ?!とひとりで勝手にめっっっちゃキレてたんですけど、しばらくその問いを寝かせてみて思い至ったんですよね。これはD群サカタケントの自作曲になるんですけど、『負けんな!!』で2人は歌う。「懸命にやっても 報われないのは よくある話」と。でもそれでも、「弱音吐いて 苦しいときも あるだろう だけど まだ知らない 自分に会うため 僕は僕の決めた道を行くんだ」と。
 
前に引いた阿久悠の甲子園の詩で「努力は怠惰で ぼくらの努力を見落とそうとする」っていうフレーズがあって、「賭け」っていうのはそういうことなんですよね。誰もががんばって、もがいて、努力していて、それでもどこかで巡り合わせっていうのはあってそれが必ず報われるとは誰も保証してくれない。実際に打ちのめされたことだってある。
だけどそれでも、僕らは歌うのだと。傷ついたって、自由な未来のために。
 
 
 
 
 
英語を足した方の表を見返してもらえたらと思うんですけど、2つだけ、8曲全部に入ってた言葉ってなんだと思いますか。
【夢】【信じる】です。
 
「描いた通り 君は信じて進めば良い」
「僕らが生きている 今日は 明日のために あるって いつまでも いつまでも 信じているよ」
「コンビニの駐車場で 語り合ってた夢を信じてる」
「迷っていないで 信じたい 未来を」
「信じていて 大丈夫」
「僕らは僕らをもっと 信じて目指したらいいんだ」
I believe in my way, my life」
「必ず勝ち上がってみせる 信じていてほしいんだ」
 
 
繰り返し、繰り返し、君に、僕に語りかける言葉。
そう歌う彼らが、大好きです。
これからも楽しいことが、いっぱい、いっぱいありますように。
 
 

 

 

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*1:16年5月に1人加入、17年3月に1人卒業しているため結果現在も10人

*2:天神と博多の話はひいては西鉄とJR(によって終着する周辺都市圏の形成)、商業とビジネスみたいな市政の発展にも絡むので、いずれちゃんと学習してまとめたい

*3:まだ公式アナウンスはないけども、チケットサイトを見る限り福岡公演では残り5人も日替わりゲストとの情報もあり

*4:

*5:間はほぼ年子なのですが、最年長と最年少が同学年2人ずつっていうのがめっちゃ好き。また卒業したさわりょうも坂田氏とは同学年というかほんとに大学の同級生です(学部違い) 

*6:【僕】【君】は初期設定では出てこないので、事前に手動で強制抽出という処置をします