一度や二度の悲しみじゃなくて

だいたい野澤と真田の話をしています

let him go補足

もうちょっと、原本と英文を比べながらでやりたかったことや思ったことの補足を。
ちなみに和英、英和ともに三省堂のTHE GRAND CENTURYを使用しています。手持ちは02年の第8刷と01年の第4刷。


I just hope I let him go

最初はjust入れてなかったんだけど、最後の段と合わせる意味と、あとこの方が拍が良くなるなと思って。


On November 24, 2015, one of the idol announced his intention to resign.
15年11月24日。ひとりのアイドルが辞意を表明した。

そもそも日付を書き出すところから辞書引いた。なんたる。


Various opinions overflowed twitter.
ツイッター上にはいろいろな意見があふれかえった。

overflow。イメージが分かりやすくて気に入った。


They should not be called 'opinions', but bare 'emotion'.
それらは意見と呼ぶべきものではなくて、さらした感情、そのものが露になったものだろうと思う。


I'm not in the infield for him, so I refrain from mention. (First, I may not have the right to mention at all.)
彼自身のことについては私は語れるほど内野の人間ではないのでそれ以上の言及は控えておく(そういったことを言えば誰に対したって「口出しの権利を誰が認可するのか」という話にはなるけれど)。

内野という言い方は(`^3^´)外野の言葉はシカトする!ハッハー!から来ている。言わずもがなか。しかし前置詞が全然分からん。


However, I took it up because it reminds me of the words that Sanada, my earnest talent, said before.
私がこの話を持ってきたのは、そのときに自担のこの言葉を思い出したからだ。

ここに来て「担当」、という言葉をいかに訳すかが肝だな、と強く感じた。単純に訳すだけで終わればそこでこの記事は一瞥一笑のもので終わるなというくらいに。
結局、切実な気持ちを抱えていることからearnestを引き、単にpersonとかmanとかboyじゃダメだな、私は真田の天賦の努力する才が好きなんだな、と思って、talentを持ってきた。現状、この訳は結構気に入っている。
今回の英語部さんの企画の中で他の方が「担当」をどう訳すのか、とても楽しみである。


"I think the person who can sacrifice himself is hero."
「今オレが思うヒーローの定義は自己犠牲ができる人。」

himselfというここで性別を指定しないといけないのも英語だよね。いや他に言い方があるかもしれないけど。


Sacrifice himself. It's a serious word.
自己犠牲。非常に重たい言葉だ。

マジそれな


His talk continued;
"We are not a little showered with thoughtless remarks. But I think I can overcome them if I keep confidence for efforts and selfrespect that I will surely be an attractive person."
Therefore we may think a hero and an idol are nearly same.
その後の言葉がこの通り続く以上、ここで言うヒーローとは、アイドルと同義だと言って差し支えないだろう。
「この活動をやってると心無い言葉を言われることも少なからずあるけど、でもここまで頑張ってきたことへの自信や最終的に大勢の人を魅了する人間になるんだって自分にプライドを持っていれば、乗り越えられると思うんだ。」

本人の言葉を訳するっていうのも面白いけど大変だね!しかし副詞を入れる位置も分から(二度目)


If an idol is one of jobs, there may be responsibility.
Like a doctor, like a law.
アイドルも一つの職業なのであれば、そこには顧客の需要を満たす義務もあるのだろう。医者が患者を救うように、法が犯罪者を裁くように。


But I wonder how much sacrifice we may demand from an idol, an individual.
だけれど。それは果たして、アイドルという人間である彼に、どこまでの「犠牲」を要求してもよいものなのだろう。

「という」という表現でつまずく。
あとsacrificeは可算としても不可算としても載っていたので、好みの問題で不可算として扱っている。


In short, who "forgives" him? What must he be "forgived" at all? What is he for?
つまりは、「誰が何を許すのか」ということであり、「アイドルは誰のためにあるのか」ということだ。


As for Sanada, I have had such a worry.
真田の発言でいうと、この以前からそうした懸念は持っていたのだ。


"Do you have a dream, don't you? I have.
The first is that I make my debut on CD. I think I must do so for my fan, too."
「今は夢持ってるだろ。オレはあるぜ?いちばんはやっぱりCDデビューだよ。これはね、応援してくれてるファンのためにもしなきゃいけないと思ってる。」

本記事内では、冒頭を野澤さんに宛てていることが分かるように言葉を足している。


The word "too" is hope. He says that his aim of debut is also for his fan.
「も」とついているのが救いか。デビューを目標とするのはファンのためにという言葉を出している。


Like this, he said the words for us, the others, several times.
こうして相手のことを口に出すことは他にもあった。

相手というのを訳すのにうまくいかなくてusと強調のためにthe others(あくまで他人)というのを並べて置いたのだけど、今見れば自己犠牲との対比としてうまく働いているのかもしれない。


I hope you are all fine.
「みんなが元気でいてくれますように」

I hope you all have good things.
「みんなにいい事がありますように!」

I hope I can give you energy! I work hard!
「今年もみんなに元気をあげれるように!がんばる!」

だからallの位置が(以下略)
あとがんばるの訳がwork hardになってしまったのはなかなか刺さっている。


There were the words for us in all of his New Year's messages in 2014.
彼の新年のメッセージのすべてに、私たちのことが
書かれていた。


He gives sacrifice, devotion or duty. Our demands are moderate or excessive. They may depend on our conscious.
Our thinking may be waste.
「犠牲」も「献身」も「当然の責務」も、要求の適度さも過度さも、意識ひとつの違いでしかないかもしれない。
ここで勝手に憂えていることも、本人はうっきうきやっているのかもしれないし、もしくは楽しい気持ちばかりでやっていそうに見えるその裏で、苦悩していることもあるのかもしれない。
結局考えるだけ無駄なのかもしれない。

中段はもう諦めてすっぱりと切っている。


About "Forgiveness", I want to mention the following.
許す、というと、彼のこの言葉選びも一緒に残しておきたい。


Sanada: There were many Johnny's Jr. members in my dream. Then we were told suddenly that our debut was decided.
真田:オレらをふくめたJr.がけっこうたくさんいるんだ。で、「お前たちのデビューが決定した!」っていきなり言われるの

Nozawa: Ah, about your dream. I heard.
野澤:あ~、その夢か!聞いたわ

Sanada: That's right. But I have things I don't tell you yet.
真田:そーなんだけど、まだ言ってないこともあるんだよ

Nozawa:...What?
野澤:…へっ?

Sanada: I was glad to hear that. But, including us, the members of "Baka-Leya" and the pairs as symmetry are all separated. Then two groups were made.
真田:デビューの話はうれしかったんだけど、オレらをふくめ、あの"バカレア"のメンバーも、いままでシンメで組んでたヤツらも、全部解体されて2組グループが作られたの

引用冒頭と合わせて、ここで受動態を使えたのがいかにもという感じでものすごく満足している。
あっしくったseparatedの前現在形のままやがな


Nozawa: Uh-huh.
野澤:うんうん

こっ…ここの野澤の相槌が好きで…私はどれだけ咽び泣いたら…


Sanada: But only one of them could make a debut... (Sanada glanced at Nozawa.)
真田:でも、結局1組しかデビューできなかった…っていう(と、野澤をチラ見)


Nozawa: I was in the group that couldn't make a debut, wasn't I?(Smiled bitterly) But this is the dream, so it's hard to complain. I excuse you because you don't look pleased!
野澤:ダメだったほうにオレがいるんだな?(苦笑)でも、夢なだけに『なんだとー!?』とも言いにくい。それで喜んでるわけじゃなさそうだから許す!

ほんとに、本当に、「許す」ってすごい言葉じゃないですか。ここで真田が見せた弱さ自体を受け入れてるんですよ。許してるんですよ。こんな男尊すぎやしませんか。真田の傍らに野澤がいてくれたことが、尊すぎやしませんか…(咽び)


Unfortunately, when our personal feelings can't forgive someone - unfortunately, him - , even so, will he forgive his way?
Please, I just hope everyone is happy. Needless to say, you are.
もし私たちの私情が彼を許せないと思ってしまうような時が来たとき、それでも彼は彼の選択を笑って許してくれるのだろうか。
ただ。どうか、みんなが幸せであるようにと。それは、あなたも。

だからまぁ、ここで言う「彼」っていうのは彼のことだし、ここで言う「あなた」っていうのも、そう、奴のことなんです。