一度や二度の悲しみじゃなくて

だいたい野澤と真田の話をしています

『ピボットターン』は振り向かない/それでもきっと、U R not aloneであると信じて

 

 

 

 

これは10神ACTOR本公演、『ピボットターンで振り向いて』千秋楽が終わり、物販のロビーへふらふらとした頭で出たときのツイートだ。
終演後のライブパートで、めんたい子やって*1、君と叶えたい夢があるからをやって、「俺がしっとりした曲で終わるわけないだろーーー!!」って坂田くんが叫んで最後にもう一回すいとうとやって*2、そのペンライトの海の中で、脳裏に痛切に明滅する思いがあったのだ。「このまま、ずっと停滞していたい」と。


それはそうなのだ。ハマってまだ1年にも満たないこの新規の時期というのは、新しく知ることばかりで、ハマったからにはちょうど上昇気流の中にいるようなタイミングなわけで、そんなの楽しいに決まっている。だから同時に不安なのだ。「いつか」、道を分かってしまうときは必ず来てしまうんだろうと。

 

私のオタク人生というものはおおよそ5年周期で場所を切り替えてきた。始まりはまぁ半年2クールのアニメをその後もひとりで5年こじらせていたのでまぁもう燃料がないよね…とはある意味自明で別の話にはなるのだが*3、年にシングルが6枚出されて月9にも頻繁に出るようになってもそのタイミングで離れてしまったり、今も好きなはずの自担は今日も大阪城ホールで公演を重ね来月にはユニット横アリ単独公演も控えているけれど、一向に直に見に行くメンタルにはなれていない。


今の現場は非常にメンバーとの距離が近く物販で直接話すこともできるという環境で未だに全然慣れていないのだけど、彼らはこの言葉を繰り返し言う。
「僕たち大きくなるので」、と。
舞台の上から、あるいは直に握手をして目を見られながら、あまりにも誠実に約束するように繰り返されて私は混乱してしまうのだ。


(´゚д゚`)?果たして私は彼らが大きくなることを望んでいるのか…?


ほんとにこんな顔で、1,2のポカン!とされたように「大きい」という言葉の定義が分からなくなったように空っぽの頭になってしまう。
だって私は、私が大好きだったはずの人たちと、彼らが一般的に「大きくなった」と言われるようなタイミングで道を絶ってしまってここにいるのだ。


よく言われる「存在が遠くなったから」というのは、半分違っていて半分当たっているのだと思う。私が好きになって以降のドームなり国立競技場なり新宿アルタなりクリエなりは、福岡に住む私にとっては往々にして遠い場所にあったのでそもそも近かったことがないし、入ったからと言ってその視界に入れたかというとおそらくそうではなく、そういった物理的に「遠くなった」という問題は端から起こっていない。私が道を分かってしまうに至ったのは、もう私などは省みられていないのだ、という絶望、私が望んでいたはずの未来とは逸れてしまったのだという自分勝手な絶望により生まれた精神的な距離による。勝手なフィルターで勝手に思い込んでいた「私の好きだった姿」とのズレに耐えられなくなるのだ。結局運営のやり方だったり環境や本人の変化によって「もうこのまま見ていても私が大事にしてもらえないから」と感じてしまうようになるんだと思う。こうしてオタクは擦り減っていく。

 

 

ただこれはあまりにも恨み節だということぐらいは分かっている(制御できていないこととは別として)。
ここで翻って冒頭に戻るのである。

 

もちろんできることならずっと彼らを追い続けたい。もちろんできる限りそのつもりだし彼らを信じているけれど、5年も6年も経って変わらずにいるというものもない。まして彼らは「変わっていこうと」しているのだ。彼らは何にも悪くなくても、私に弾性がないばかりにいつか受け止めきれずにバキリと折れてしまうかもしれない。最近の持論は「エンタテインメントで負った傷はエンタテインメントでしか補えない」なのだけれども、じゃあ5年後、彼らの問題以前に年齢を重ねた私の目の前に、もうそこに飛び石がなかったら? まだそのときも恨み節をぶちまけるだけの人間だったとしたら? ーーそう考えると背筋が凍る思いがして恐ろしくなったのだ。

要は、エンタテインメントに依存しすぎないように、私は私で自立せねばなぁというようなことをようやく言葉にして考えはじめたのでした。いやまぁ、オタクとしてこの人生生きてきてるので、オタ卒ができるとは思ってないんですけど。

 

 

停滞していたい、そう思ってももうあの『ピボットターン』の瞬間は戻ってこないし、振り向きもしない。
何より彼らが笑って、食いしばって全力で上を、前を向いて走っているのだ。

私はそんな彼らについて並走していくだけだ。

彼らのために、そうしていつかの自分のために。

ワンマンが埋まりますように!!!めっっっちゃ楽しくなりますように!!!私もできることがんばろ!!!

 

 

 

 


余談
今回のワンマンタイトルにもかかっていますが、『君と叶えたい夢があるから』絡みの彼らについて。

最初にフルで聞いたのはリリイベ直前のラジオだったんですが、初めはいまいちピンと来ないな、違和感があるな、というのが正直なところでした。

 

171223
夢を追う曲だけども「夢を掴む姿を見ていてほしい」「君が大好きだから」って言われてんっ?って思ったけどそらそうだ、まぁタイトルが『君と叶えたい夢があるから』だったわと思ったけど、いやたぶん、君=同志の話だと思ってて君=ファン(的なもの)だと思ってなかったから違和感があったのだな…

 

いや夢を追うのにこっちチラッチラッする必要はないので行ってくださいと思うもいざ真田がらぶとぅーんという形で行ってしまうとそれはそれでいつまでも怨霊みたいになってるのでそもそもファンというものに向いてないのかもしれない


同志ってまぁ平たく言うとメンバーのことですね。要はメンバー間の絆みたいなものだと思っていたせいで違和感があったと。
それがリリイベで、歌う姿に眼前で触れると、全く違った感情が沸いてきたのでした。

 

171225
さて『君と叶えたい夢があるから』の方ですが ラジオで聞いたときは「まだ始まったばかりの僕らの形ハッキリ見えてないけど」とか「まだしっかりと誇れるようなものこの手にはなくても」とかの辺りにいやいやいやそれ自分で言っちゃ、3、4年経って言ってちゃダメじゃない?などと思ってたんですけど

 

今日目の前で聞いて、10人で歌うのを見せられて、「あぁ、ちゃんと10人対ファンの曲になってるんだな」という得心がありました たぶんラジオで聞いたときはソロパートの多さもあって「1対1」の歌に聞こえてたから違和感があったんだろうなって

 

そう腑に落ちてから改めてさっきの歌詞だったり、2番の「夢ばかり追いかけてくことを他人がどう言っても」のところを聞いていくと、自然と、「あぁ、これはU R not aloneだったんだな」って

 

U R not aloneに「誰かに笑われた夢を今もココで見続けてます」ってあるじゃないですか これまで自分で書いてきた、ディスり芸ブログの最後にユーリ!!!のインタビューを添付したのは「野澤さんが辞めないでいることを誰も笑わないでいてくれることが力なんだ」ってこととか、

 

マリンレンジャーを、馬越くんが言うハリウッドスターっていう言葉を笑わないでいたいってこととか、そういうのが全部繋がって、本当にこの歌は上を向こう、向いていたいという決意の歌なんだ、そよぐ風のような優しげな曲だけどそれでも、未来に向かうための曲なんだって思ったらぶわぁってなって…

 

さっきの「まだしっかりと誇れるようなものこの手にはなくても」とかも、その、今や陳腐な表現だけど「俺の先に道はない、あるのはこれまで歩いてきた道だけだ」みたいなことなんだなって結局 そらそうだわ これまでやってきたことがいつか結実するようにまた、まだ歩いていくしかないってことで

 

そうしてU R~の歌詞見返すと「確かな答えは何処にもないから 探すんだ 恐れないでその足で迷っていい 何度も諦めるかって言えばいい 今までの超えた日々が僕らにはあるじゃないか」とかあるからさ…!やっぱり、あの、確かに言えるのは歩いてきた道だけってところに繋がってくるんですよ…!

 

 

U R not aloneというのはNEWSの去年のアルバム『NEVERLAND』に入っていた曲で、ファンタジー的コンセプトに沿っていた楽曲群の中少し異質な、思い切り「現実」に寄り添った楽曲です。見識の浅い人間がうかつなこと言えないので詳しいところは歌詞そのものやNEWS担さんのブログなど辿っていただければと思うんですが(NEWS担の文章力というか文章によって他オタクを撃とうとする部分わりともう随一だと思ってるところある…)、こういう気持ちを10神ACTORが歌ってくれるなら、今はどこまででもついていけそうな気がしている。

 

もしかしたら
「拝啓 あの日の私へ 今はココに立っています 私に笑われた夢を 今もココで見続けてます」
って、歌えるかもしれないね。
そうあれますように。
「少しずつ前へ not alone」
I believe in my way, my life」
を掲げて。

 

 

*1:『Petit Petit Lady 〜めんたい子、福きたる〜』 https://youtu.be/jA1_t9zaDuQ

*2:『君の笑顔にすいとうと!』 https://youtu.be/uoVKZGW2pm0

*3:01年テレ東系放送『スクライド』。まぁその後10周年のタイミングで総集編劇場版が出たりしてて今も大好きです。私の根底にはロストグラウンドの悪魔。